参拝を済ませ、境内でサンドイッチを食べていると、図らずも人気者になる。
冬のスズメはもふもふしていてかわいい。
ふと見上げると空にもたくさんのお友達。
頭上に小さな虫の集団飛行。
俗に言う、頭虫だ。
頭虫とは、人の頭の上で集団飛行する虫。
小学生のころ、野球でレフトを守っているときに、頭上に頭虫が現れたことを思い出す。
グローブを真上に投げ上げると、一瞬解散したのち、すぐに再集合する。
不意にカキーンという音とともに打球が飛んできて、監督に怒られる。
気がつくと頭虫はいなくなっているのだが、あれだけの大群がどこに行ったのかと不思議に思う。
この頭虫。実はユスリカという蚊の仲間。(厳密にはハエの仲間)
人間を刺すことはないため、害虫ではない。
刺すどころか、口が退化して食事ができず、成虫になってから数日しか生きられない儚い虫。
初夏から秋にかけて集団飛行をする。
集団飛行には名前があり、蚊柱と呼ばれる。
蚊柱はオスのみで構成される。
メスのユスリカが蚊柱を見つけるとそこに突入し、パートナーを見つける。
数日の命の間に必死に出会いを求める、壮絶な婚活パーティーなのである。
そんなドラマチックなパーティーは、ひらけた空間の中で、一番高い物の上空で形成されるという特性がある。
野球場のレフト選手の頭の上などは、格好のパーティー会場だ。
頭が臭いわけではない。
頭上のパーティーが鬱陶しくなったら、自分よりも背が高い友人や監督に急接近するとよい。
そちらの頭に会場が移設される。
さて、何が言いたかったのかと言うと、蚊といえばフィラリア症である。
まだスズメがもふもふしている寒い季節でも、蚊は飛ぶということ。
地球温暖化の影響か、暖冬になると、蚊の活動時期も長くなる。
ノミ・ダニなどの予防薬との合剤を使い、通年でフィラリア症を予防するケースも増えている。
現に真冬であるのにも関わらず、渋谷の街中にある当院でも室内飼育猫にノミの寄生が確認されている。
犬と猫の命にかかわるフィラリア症。
予防できる感染症は、積極的に予防しよう。
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