SHIBUYAフレンズ動物病院 埼玉院

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火蟻(ヒアリ)について

連日のように火蟻(ヒアリ)のニュースが流れています。当院でも愛犬がヒアリに刺されたらどうなるのか心配される飼い主様が多くいらっしゃいますので、ここで基本的なことをまとめておきます。

 

まずヒアリはとても小さく平均3~4mm、大きくても6mm程度といわれますので肉眼で確認することは容易ではありません。ましてや犬の散歩中に草むらなどでということになるとなお判らないでしょう。したがってヒアリに刺された事が明確でなくとも疑わしい条件や症状がある場合には気を付けて観察し速やかに対処したいものです。

 

「犬がヒアリに刺された時の症状」

 

人がヒアリに刺されると火の点いた線香を押し付けられたように熱く痛いと表現されていました。それから考えると犬は以下のような行動・症状を呈すると考えられます。

 

*局所が「痛い!」・「熱い!」と感じるため急に「キャンキャン」鳴いたり慌た行動をとる(急に走り出したり逃げ出したり)

 

*刺された部分を気にしてを咬んだり、舐めたりする

 

*四肢が届く場所なら気にして掻く

 

*ゴロゴロと転がったりする

 

*痛さ・熱さ・恐怖(驚き)で震える

 

*局所は赤く腫れたり、熱を持ったりする  など

 

可能性のある条件のもと以上の様な症状が見られたら注意が必要です。そして少なくとも15~30分はアナフィラキシー反応(アレルギー反応)を起こさないか注意観察が必要といえるでしょう。またその可能性は低いとはいえ、さらに深刻なアナフィラキシーショックに波及する場合がありますので状況を見極めて速やかに適切な対応が求められます。

 

「アナフィラキシー」について

 

アナフィラキシーとは即時型アレルギー(Ⅰ型アレルギー)反応であり、その症状は様々ですが、犬における一般的な症状は以下のようなものが多いです。

 

* 呼吸困難(気管支痙攣・咽頭浮腫などによる)

 

*浮腫:特に口唇や眼周囲など顔面のむくみ(ムーンフェース)

 

*発疹や痒み

 

*稀に流涎(よだれ)や嘔吐   など

 

「アナフィラキシーショック」とは

 

上記のアレルギー反応がきっかけとなり陥るショック状態をいいます。

ショックとは何かしらの原因(この場合はアレルギー反応)で全身に流れる血液量が著しく低下して、体内の組織・臓器が酸素不足となり、正常に機能することが出来なくなる状態をいい、生命の危機に関わる緊急事態となります。この場合は一刻も早く適切な処置が必要となりますので、アレルギー反応が確認された段階で速やかに人は病院を動物は動物病院を受診される事をお奨めします。

 

火蟻(ヒアリ)を発見した場合の対応

 

*犬の身体に着いている場合は手で取らず、タオルやハンカチなどで払う

 

*刺される状況でなく、また少数であれば粘着シート(いわゆるコロコロシート)やガム         テープで確保する

 

*速やかにその場から離れる

 

*自分たちで駆除しようとしないで環境省もしくは環境省地方環境事務所へ通報する

 

ヒアリはその性質上、攻撃性が強いため集団で襲ってくることも考えられます。無理をせず逃げるが勝ちです。駆除法として熱湯や市販のアリ用殺虫剤が効果的という話がありますが、どうしても必要な場合以外は根絶を図る為にも個人ではそのようなことは避け通報をしましょう。また、刺された場所には水をかけて極力毒素の進入を防ぐことは良いことですが、ヒアリ自体には決して水はかけないようにします。ヒアリがパニックを起こしてさらに刺してくる可能性があります。

 

最後に・・・

 

確かにヒアリに刺され、アナフィラキシーショックを起こし、生命の危険にさらされる可能性はありますが、実際にショック状態に陥る確率、ましてや死に至る確率はかなり低いといえるでしょう。従って正しい知識・認識を持った上で必要以上に過敏に反応したり、神経質になり過ぎたりすることはないと考えます。

 

この記述が皆様の心配や疑問に少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

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