現在世界において感染拡大が起こり、日本でも毎日のようにニュースになっています「新型コロナウイルス感染症」ですが、当院へご来院の飼い主様からも「犬や猫へも感染しますか？」、「犬が咳をしていますが、新型コロナウイルスか心配です」などとご質問・お問い合わせをいただくことが増えております。皆様のご心配ももっともだと思いますのでここで少しお伝えしておきます。

結論から申し上げると「大丈夫！！」ということです。

犬にも猫にもそれぞれコロナウイルス感染症は存在しますが、それらは種族特有の感染症で「犬→犬」または「猫→猫」の感染であり、これらが人間に感染することは現在のところありません。

そして今世間を騒がせている新型コロナウイルス（2019-nCov）も現段階では犬・猫への感染は成立しないといわれています。そしてそのような報告もございません。

ただウイルスや細菌のような病原体は変異を起こすものであり、今後これらのウイルスが突然変異を起こし人間→動物（動物→人間）への感染が成立するもの（zoonosis：人獣共通感染症）に変化することは絶対にないとはいいきれませんが、少なくとも現段階ではそのような報告・事実はございませんのでご心配は無用です。

また一部では、獣医師が「新型コロナウイルスの流行で犬への感染が心配されるので、念のために犬コロナウイルスの（含まれる）ワクチンを接種しておきましょう」などと奨めていたりするという話が耳に入ってきています。本来の犬コロナウイルス感染症の予防のためにワクチンを接種されるのは構いませんが、新型コロナウイルス感染症に乗じて接種を奨める事は言語道断ですし、その為に犬コロナウイルスワクチンを接種する意味は全くございませんのでお気をつけ下さい。

そして皆様ご自身におかれましても確かに目に見えないウイルスでしすし、「新型」ということでまだ判らないことも多いためご不安になるのは理解できますが、インフルエンザをはじめ他の感染症予防と同じく対策をとっていただければ過度にご心配なさることはないと考えます。

我々もひとりひとりが出来るだけ正しい知識と情報を持ってこの事態を乗り越えていければと思います。